遺言書の有効範囲
万一に備えて遺言書を残したいと思っています。
それで調べてみると保険金等はみなし相続財産になり、相続財産では
ないと知りました。
そこで質問なのですが、遺言書に相続分を指定する場合、みなし相続財産を
含めた財産をベースに割合を決めても、有効となるでしょうか?
例
遺言者は、遺言者の有する財産(みなし相続財産を含む)を
Aに3分の1、Bに3分の1 Cに3分の1の割合で譲る
補足
相続税はみなし相続財産も課税するのだから、国もわかりやすく相続財産の範囲は決めてほしいものですね。ある程度それも考えて、遺産の分配を考えなくてはいけないケースは面倒ですね。
alfa115さん (愛知県/37歳/男性)
遺言できる内容は法定事項に限られています。
税法上のみなし相続財産は、遺言で指定する相続財産とは切り離して考えた方がよいでしょう。
判例では、被相続人が自己を保険契約者及び被保険者として、共同相続人の一人又は一部の者を保険受取人として指定して締結した保険契約に基づく死亡保険金請求権は、その保険受取人が自らの固有の権利として取得するものであって保険契約者又は被保険者から承継取得するものでなく、これらの者の相続財産に属するものではないとしています。
また、その権利(保険受取人とされた相続人が取得する保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金)は遺贈又は贈与に係る財産には当たらないとしています。
(かなり限定的ですがあまりにも不公平になるような保険契約の場合は保険金も特別受益と判断されることはあります。)
後に遺言が無効になったり、相続人間で争いにならないように、例で記載になっているような遺言はやめておいた方がいいでしょう。
生命保険金の受取人は遺言で変更することもできますのでそのような遺言の活用は有効です。
司法書士 小林彰