今は昔


今は昔、保証書という制度ありけり...
今年が平成26年なので、今からもう9年前。
現在の不動産登記法が施行された平成17年3月7日まで、不動産登記法には「保証書」という制度がありました。
おそらく今の若手の司法書士さんは全く知らないでしょうね(^__^;)
私はこの業界に入ったのが平成14年の11月なので、よ~く覚えています。
ただ当時は不動産登記の名義人になったことなんてなかったので保証人になったことはありませんが..
この保証書という制度は、登記済証がない時、登記を受けた成年者2人が登記義務者に人違いないことを保証する制度でした。
(旧)不動産登記法
第44条 登記義務者ノ権利ニ関スル登記済証カ滅失シタルトキハ申請書ニ登記ヲ受ケタル成年者2人以上カ登記義務者ノ人違ナキコトヲ保証シタル書面2通ヲ添附スルコトヲ要ス 此場合ニ於テ保証ヲ為ス者ガ他ノ登記所ニ於テ登記ヲ受ケタル者ナルトキハ其登記簿ノ謄本ヲモ添附スルコトヲ要ス
第60条 (省略)
2 申請書ニ添附シタル登記済証又ハ第44条ニ掲ケタル書面ノ1通ニハ登記ノ目的及ヒ登記済ノ旨ヲ記載シ登記所ノ印ヲ押捺シテ之ヲ登記義務者ニ還付スルコトヲ要ス 但登記名義人カ多数ナル場合ニ於テ其一部カ登記義務者ナルトキハ登記義務者ノ氏名ヲモ記載スルコトヲ要ス

現在は、本人確認情報や事前通知制度を使う場面ですね。
そして、保証書をもって登記を完了すると、その保証書は登記済保証書となって、所有権に関する登記以外の権利に関する登記済証として使うことができたのです。
いまだに当時を知る不動産業者の方の中には、「今回、権利証無いんだけど、保証書でいけるよね?」とおっしゃる方も。制度が無くなってもう9年ですけどね。
実はこの登記済保証書、今でも所有権以外の登記申請に添付する登記済証となるんです。
※法務局によっては取り扱いが違うところもあるとの話も…
それにしても何も知らない新人司法書士がいきなり、銀行や依頼者から権利証でなく「登記済保証書」を出されたらびっくりするんだろうな~と業界12年目の司法書士は思ったわけでした。
大田区池上 元八百屋の司法書士 小林 彰

司法書士事務所ワン・プラス・ワン

http://www.44s4-kobayashi.com/

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