司法書士の業務について

近頃、『過払い金返還業務を行う司法書士の脱税・クレーム問題』や『司法書士の(弁護士法との)業務範囲の問題』など、何かと世間を騒がせている司法書士業界ですが、2008年10月に行われたインターネットによる全国での認知度調査によると、56.9%が「名前を知っている程度」と答えています。(ちなみに「仕事の内容を詳しく知っている」と答えた人の割合はわずか4.4%だそうです。)
「司法書士(シホウショシ)」という名称の響きについて「司法書士」という名前に初めて接した人達の率直な感想は、覚えにくい 58%、聞き取りにくい 57%、発音しにくい 67%という結果だったそうです。笑えない結果です。

しかし現実問題、ある程度お付き合いのある方からも「これって、司法書士の業務?」「司法書士って後何ができるの?」といった質問やご相談をいただきます。そこで今回は、ご存知の方も多いかもしれませんが、我々司法書士の業務について取り上げたいと思います。もちろんご存知の方もいらっしゃるとは思いますがお付き合いください。

①不動産登記
②商業・法人登記
③企業法務
④裁判業務
⑤成年後見業務

①不動産登記とは、
大切な財産である土地や建物の物理的な状況・権利関係に変化が生じたときに、その旨を登記記録に記載して社会に公示することで、取引の安全を守る制度です。司法書士は、このうち権利関係の登記について書類の作成や申請代理業務を行います。(一部の表示の登記についても代理することができます。)

売買決済の立ち会い業務はここに含まれます。

②商業・法人登記とは、
株式会社などの法人について、設立(誕生)から清算(消滅)にいたるまで一定の事項を法務局で登記することにより、法人の内容を社会一般の人に公示することで、法人を巡る取引の安全を実現する制度です。

③企業法務とは、
会社法の専門家として法律の改正への対応だけにとどまらず、株主や債権者などへの対応、法的な文書の整備、ストックオプションの発行、株式公開の支援、企業再編、取引上のトラブルや事業承継などの問題についてもアドバイスをします。
会社に法務部などの部署をもたない中小企業にとって、これまで商業登記を通じ企業法務にたずさわってきた司法書士は、身近な法務アドバイザーとなっています。

③裁判業務とは、
貸金や家賃・敷金、損害賠償などを請求するなど、裁判所に訴えや申立てをするとき、司法書士が、皆さんに代わって書類を作成し、訴訟手続を支援します。
また法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所における訴訟代理業務が認められています。
司法書士は、この簡易裁判所で皆さんに代わって弁論したり、調停や和解の手続をすることができます。もちろん、裁判外でも、代理人として相手方と和解交渉をしたり、紛争性のある事件について相談を受けてアドバイスをしたりすることが可能です。
債務整理はここに含まれます。

⑤成年後見業務とは、
認知症のお年寄りの方や知的・精神障害のある方(判断能力の面でハンディキャップを負っている方)を悪質商法等から守り、安心して暮らしていけるよう、法律面からサポートするものです。成年後見は、大きく分けて「法定後見」と「任意後見」の2つに分けられます。

そのほか、司法書士法には、供託に関する手続について代理すること、法務局又は地方法務局に提出・提供する書類等を作成、登記又は供託に関する審査請求などがあります。

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