司法書士のお仕事
今年の11月で司法書士業界に入って丸々10年。
その間に司法書士の仕事も大きく変わりました。
平成17年の不動産登記法の大改正や平成18年の会社法の施行。簡裁代理関連業務や後見業務といった新しい分野。
オンライン申請という新しい登記申請の形の普及などなど。
そういった変化の中でも一番変わったのは不動産登記申請事情。
私が司法書士業界に入った頃、法務局の対応はまさに殿様。
当時は12時から13時は法務局もランチ休憩。
登記申請の受付箱を後ろに隠し、登記申請は全く受け付けませんでした。
また、所有権移転登記を申請し、新しく登記済権利証が作成されるような場合、申請した管轄法務局に『必ず』出頭して、登記済権利証を受け取らないといけませんでした。
当時、郵送での返却は不可だったんです。(現在は郵送での受領も可です。)
また昔は、オンライン申請といった制度もありませんでしたから、
例えば、4月1日に不動産登記申請をしなければいけない場合、事前に書類が揃い余裕があれば、管轄の法務局の近くに事務所を構える司法書士に書類を送って、その司法書士を『複代理人』に選任して登記申請・受領をするという選択肢がありました。
ただ、前日まで書類が揃わないような場合など、直接管轄法務局に申請に行くしかありませんでした。例えその法務局が北海道であっても。
ちなみに私も司法書士の補助者時代、北は北海道、南は沖縄まで、登記申請のために飛行機で出向いたことも多々あります。もちろんそれ以外にも関西、近畿、東北などなど、当時はその出張申請も一つの楽しみでした。
沖縄に行ったときは、そのままお休みを2日ほどもらって満喫したことも...(^▽^)
このように、かつては地方の法務局に行く理由というのが結構あったんですが、今はオンライン申請の制度や郵送返却のおかげでそんな機会もめっきり減りました。
最近この業界に入った方は、きっとそういった過去は知らないんでしょうね。
この暑い季節になると、沖縄の那覇地方法務局の法務局員のアロハシャツ姿を思い出し、昔を懐かしむのでした。
大田区池上 元八百屋の司法書士 小林 彰
司法書士事務所ワン・プラス・ワン
http://www.44s4-kobayashi.com/