似て異なる「割印」と「契印」
民法施行法(明治三十一年六月二十一日法律第十一号)
第六条 私署証書ニ確定日附ヲ附スルコトヲ登記所又ハ公証人役場ニ請求スル者アルトキハ登記官又ハ公証人ハ確定日附簿ニ署名者ノ氏名又ハ其一人ノ氏名ニ外何名ト附記シタルモノ及ヒ件名ヲ記載シ其証書ニ登簿番号ヲ記入シ帳簿及ヒ証書ニ日附アル印章ヲ押捺シ且其印章ヲ以テ帳簿ト証書トニ割印ヲ為スコトヲ要ス
○2 証書カ数紙ヨリ成レル場合ニ於テハ前項ニ掲ケタル印章ヲ以テ毎紙ノ綴目又ハ継目ニ契印ヲ為スコトヲ要ス
「割印」と「契印」
遺産分割協議書や各種議事録など、文書が数ページに及ぶとき、ページとページの継ぎ目にその文書に押捺している印章を押捺してもらいます。
それを「契印」といいます。
これには、その文書が一体の文書であることと順序を明確にし、差替、抜取などを防ぐ目的があります。
そして「割印」。
これは、二つの文書の関連性を示すため、「双方」の文書に「またがって」1個の印章を押捺することをさします。
よく領収書に印章が半分だけ押捺されているのがこの割印。
学校の卒業証書などにされているのもこの「割印」。
ただこの場合は、卒業証書と、その発行台帳との関連性を示すために押捺されてます。
ちなみに一般の方は「割印」という言葉を、「契印」の意味で覚えている方がほとんど。
業務上「割印」をお願いすることはあまりないですが、「契印」をお願いすることは多々あり、こちらの説明が足らず、またこの「契印」という習慣になれていないせいか、契印漏れや全く違う印章で「契印」のみをされたりといろいろ問題は起きがちなんですね。
ちなみに、文書に押捺する方が複数いる場合、基本的に全員に契印をお願いしますが、そのうちの1人が押捺することでも差支えはないんです。
元八百屋 大田区池上の司法書士 小林 彰
司法書士事務所 ワン・プラス・ワン
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