遺言書作成セットってどうなの

最近、『これ1冊で、素人でも本物の遺言書が簡単に作れる』と謳った「遺言書作成セット」というものが密かに売れているそうです。中には解説書や遺言書用紙、封筒などが入っていて価格は2000円前後です。ブームの火付け役は、文房具・オフィス家具メーカーの大手コクヨですが、現在ではNHK出版などの出版社が主に販売しています。
ただこれは、自筆遺言の作成セットの話で、遺言執行までを考えると、専門家としては公正証書での遺言をお願いしたいのが本音です。費用はかかりますが、①方式の不備で遺言が無効になることがない、②原本が公証役場に保管されるので,遺言書の破棄・隠匿・改ざんの心配がない、③検認が不要、④不動産登記の際に他の法定相続人の関与を不要にできる、といったメリットはとても大きいですね。
証人が2人必要なことや内容が証人に知られてしまうことがデメリットに上げられますが、証人は公証役場できちんとした第三者を紹介してくれる(相場1人6,000円)ので心配はいりません。遺言に対する敷居は確実に低くなっています。予防法務の最たるものが遺言です、みんなに勧めましょう。

関連記事

  1. 変わる?商業登記と過料
  2. 委託業務の解除について
  3. 所有権移転登記の登録免許税の納付方法
  4. 抵当権の登記について質問です
  5. 変わる法務局
  6. 小規模宅地等の課税価格の特例の改正
  7. 契約違反では
  8. 株式会社の減資という選択肢を考える

アーカイブ

PAGE TOP