これからの成年後見
日本で社会の高齢化が毎年着実に進む中、現行の成年後見制度の施行から今年で11年が経過しました。
後見開始の審判を受けることで行為能力が大幅に制限されてしまう問題(公職選挙法上の選挙権など)や親族後見人による財産の横領事件など、多くの問題もありますが、申し立て件数は年々着実に増加しているようです。
ちなみに最高裁判所の発表によると、昨年6月から今年3月までの10か月間に発覚した不正行為は182件、被害額は約18億3千万円。一年間に換算すると、一日当たりの被害額はなんと600万円!だそうです。大変な数字です。
司法書士の成年後見業務とは、
認知症のお年寄りの方や知的・精神障害のある方(判断能力の面でハンディキャップを負っている方)を悪質商法等から守り、安心して暮らしていけるよう、法律面からサポートするものです。成年後見は、大きく分けて「法定後見」と「任意後見」の2つに分けられます。
(東京司法書士会ホームページより)
現在私は成年後見業務をおこなっておりません。理由は私にはまだ早いと思っていたからです。というのも私は祖父母が歳を重ねていく様子、その世話をする母をずっと見てきました。子どもなりにですが出来ることは手伝ってきました。それは今考えてもとても大変なこと。その大変な状況に、親族とは違う専門職後見人としての立場とはいえ、携わることは生半可な覚悟じゃできない、まだまだ業務・人生の経験値が足りないと思っていました。
ただ先日ある方から、私のそういった過去の経験を含めて、「小林さんみたいな人が後見業務をやるべきだ」と言われたのです。司法書士業界も今年で9年目、お陰さまで色々な経験をさせていただき、年齢も36歳の2児の父。専門職後見人のニーズも年々上がっていますし、そろそろ真剣に後見業務に取り組んでいきたいと思っております。