記名押印と署名
そういえば、先日、いとこが商標登録をするにあたり、弁理士さんと打ち合わせをしていた時、
「商標登録では、特許庁への“出願”の際に出願人からの委任状を添付する必要はないんですよ。」
と言われ、へぇ~そうなんだ(^_^)と、代理人でも自分の業界と違うことに驚いたものです。
そういえば、不動産登記申請の代理人による申請の際、委任状に記名・押印でなく署名だけで済むケースもあるってご存知ですか。
その一つが、例えば、住宅ローンを完済した時にする、抵当権抹消登記を申請する場合の委任状。(登記義務者の場合は当該抵当権にかかる登記済証または登記識別情報を提供する場合に限る。)
司法書士仲間と話していても、意外と知らない方がいてびっくり(^__^;)
まぁ私も9年ほど前、2つ目の司法書士事務所勤務時代、印鑑をお忘れになる方が多く、必要に迫られ先輩から根拠を聞いたんですけどね。
現行法では押印が不要である場合が明文化されてます。
と分かっていても、色々と考えて、結局委任状には記名(署名)・押印をお願いしてしまうんですけどね。
不動産登記規則
(委任状への記名押印等の特例)
第四十九条 令第十八条第一項 の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した委任による代理人の権限を証する情報を記載した書面(以下「委任状」という。)について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
二 申請人が第四十七条第三号イからホまでに掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が委任状に署名した場合
三 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に署名した場合
2 以下省略
(申請書に記名押印を要しない場合)
第四十七条 令第十六条第一項 の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 委任による代理人が申請書に署名した場合
二 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
三 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。)
イ 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの
(1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。)
(2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
(3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
(4) 信託法 (平成十八年法律第百八号)第三条第三号 に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
(5) 仮登記の抹消(法第百十条 前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。)
(6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記
ロ 所有権の登記名義人であって、法第二十二条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの
ハ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの
ニ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号 に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの
ホ 法第二十一条 本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人
不動産登記令
大田区池上 元八百屋の司法書士 小林 彰
司法書士事務所ワン・プラス・ワン
http://www.44s4-kobayashi.com/