会社手続、役員の登記の過料について

任期のある法人・会社の役員変更は、するべき時期に選任・登記をしないと、税務署から行政罰の過料(罰金みたいなもの)の通知が来ることはみなさんご存知だと思います。
以下の『特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律』では「期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置」について定めており、行政上の過料である登記・選任懈怠もここに含まれます。政令で今回の大震災による免責に係る期限は、平成23年6月30日とされました。総会で役員選任後2週間以内で登記未申請だった会社はこれにより、この期限までは懈怠の責任は問われません。ただ、もともと管轄法務局が懈怠に厳しくなければ、あまり影響はないかもしれません。
特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年六月十四日法律第八十五号)
(期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置)
第4条  特定非常災害発生日以後に法令に規定されている履行期限が到来する義務(以下「特定義務」という。)であって、特定非常災害により当該履行期限が到来するまでに履行されなかったものについて、その不履行に係る行政上及び刑事上の責任(過料に係るものを含む。以下単に「責任」という。)が問われることを猶予する必要があるときは、政令で、特定非常災害発生日から起算して四月を超えない範囲内において特定義務の不履行についての免責に係る期限(以下「免責期限」という。)を定めることができる。
2  免責期限が定められた場合において、免責期限が到来する日の前日までに履行期限が到来する特定義務が免責期限が到来する日までに履行されたときは、当該特定義務が特定非常災害により履行されなかったことについて、責任は問われないものとする。
また一般的に株式会社の定時株主総会の開催時期は、「事業年度終了後3か月以内」と定款で定めています。役員の任期は原則その定時株主総会終結の時までです。被災し株主総会を開けない会社(例えば3月末決算の会社)については、法務省より救済的な解釈が示されています。
<定時株主総会の開催時期に関する定款の定めについて>
「特定の時期に定時株主総会を開催すべき旨の定款の定めについては,通常,天災等のような極めて特殊な事情によりその時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合にまで形式的・画一的に適用してその時期に定時株主総会を開催しなければならないものとする趣旨ではないと考えるのが,合理的な意思解釈であると思われます。
 したがって,東北地方太平洋沖地震の影響により,定款所定の時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には,会社法第296条第1項に従い,事業年度の終了後一定の時期に定時株主総会を開催すれば足り,その時期が定款所定の時期よりも後になったとしても,定款に違反することにはならないと解されます」                (法務省 サイトより)
これにより定款違反の問題は解決されます。ただ役員変更の登記の時点で任期について問題にならないよう、法務局もしっかりとこの解釈にて運用して欲しいものです。

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