失われた○○年
土地や建物の登記簿謄本。
いまでは、登記事項証明書と申します。
何年経っても言い慣れないので、ついつい登記簿謄本と言ってしまいます。
登記手続きをしている司法書士であれば目にしない日はないとても身近な書類です。
以前、某大手金融機関の中堅の行員の方から、
「実は最近登記簿が読めない行員が多くて大変!」
という話を聞きました。
何でも、過去に採用をかなり絞った時期があったため、その後に入社した新入社員に色々な業務を教える人材が不足して今に至るといった話でした。
登記簿謄本を読めないのもその影響とのこと。
いわゆる失われた10年、20年というやつでしょうか。
まぁ見る人から見れば、情報の宝庫とも言える、登記事項証明書(登記簿謄本)。
所有者がだれか?、担保が付いているかどうか?、といった情報の奥を読み取るにはそれなりの経験も必要です。
本日経験したこれも、ひょっとしたら、これも『失われた○○年』の影響かもしれません。
法務局の権利登記の担当の方に、相続の登記実務としては以前から問題無い、書籍にも記載されているような手続について、念のため書類の体裁だけを確認しにいったところ、
法務局Aさん)「こんなことできないでしょ?」
との回答。
本当に体裁だけの確認のつもりだったので、ビックリ!
奥に引っ込んで、もう1人の方と話をして、出てきたた答えも
法務局Bさん)「こんなことやったことないな~」
ここまで言われると、
『あれ、間違ってるのは私の方か...』と思ってしまいました。
運悪く、資料も見れるタブレットPCを忘れていたこともあり、
私)『すいません、書式精義(不動産登記のバイブル)等確認していただければ分かると思うんですが...』 とお願いしたところ、
法務局Bさん)「おぉっ!書いてある、書いてある!」
法務局Aさん)「こっちにも書いてありますよ~」
法務局Bさん)「ごめんごめん!」
って(+o+;)
『知識武装は、依頼者を守る』を実感した1日でした。
大田区池上 元八百屋の司法書士 小林 彰
司法書士事務所ワン・プラス・ワン
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