言葉は悪いが寄与分とは”見返り”のこと

寄与分:共同相続人の中に被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めた寄与分権利者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、民法の規定により算定した相続分に、寄与分を加えた額をもって寄与分権利者の相続分とする。

法定相続人間で行う遺産分割協議で、特別の寄与をした者がその見返りを受けられるよう、法的な地位の裏付けを与えた制度である

<寄与分の例>
被相続人Xの財産
土地1000万・建物500万・債務600万
共同相続人は3人の子供ABCの場合で、BがXの療養看護を行い寄与分(300万)がある場合

みなし相続財産(1000万+500万円)−300万円=1200万円

<具体的相続分>
A:1200万円×1/3      =400万円
B:1200万円×1/3+300万円=700万円
C:1200万円×1/3      =400万円
<確定相続分>
A:400万円÷1500万円=4/15
B:700万円÷1500万円=7/15
C:400万円÷1500万円=4/15

特に今後増えてくるであろうは、長年にわたり被相続人に付き添って看病してきたことなどの『療養看護』による特別の寄与でしょう。ここには、被相続人のために介護サービス事業者との間でホームヘルパーの契約を締結し、その諸費用の大部分を一部の相続人が負担したような場合も含まれる。
ここ数件こういった特別の寄与をされた相続人の方からご相談をいただいたので取り上げてみたが、それぞれの特別の寄与の度合いや年月によってまちまちではあるが、相続財産の1割から3割くらいの範囲で認められるケースが多いようですね。

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