賃料振込口座変更について
父が生前、父名義の土地をある会社に貸していて父名義の預金口座に賃料を振り込むようにしていました。父が亡くなった事により預金口座が凍結し振り込みしてもらう事ができなくなりました。相続人の母、私、妹の3人で母の口座に振り込んでもらうことにしました。借主に伝えたところ会社の規定でその事に同意する文書に実印を押し提出するよう言われました。父から生前中、必要がない場合はむやみに実印は押さないようにと言われています。この場合、実印を押す必要はあるのでしょうか。押さずに変更する方法はないのでしょうか。
のり15さん (徳島県/36歳/女性)
のり15さんこんにちは。
司法書士の小林と申します。
逆の立場で考えてみましょう。
もしお母さんに賃料を支払った後に、のり15さんから「何で勝手に母に振り込んだんですか」と言われたらどうされますか。
先方がそれを回避する為、確たる書面を請求するのはやむを得ないところがあります。
一番手っ取り早いのは、賃貸している土地の登記名義を相続により変更してしまうことです。
お母さんの名義に登記を変更してしまえば先方はお母さんに支払わずにはいられません。
誰がなにを相続するという遺産分割協議がまだまだ成立しないのであれば、先方に、賃料について「債権者不確知」を理由とした供託(民法494条)をしてもらってください。
先方は賃料を支払わなくてよい理由はないので(例え遺産分割協議が整わず誰が相続するか分からない場合であっても)、支払わなければ賃料不払いにより契約解除もありえます。
この場合、その後誰が相続するか決定した場合、それを証する書面を提出するのは、国の機関である法務局ですから、ただの賃借人に印鑑証明書や実印を押した書類を差し出すのと比較しても、問題が生じる可能性はないでしょう。
評価・お礼
のり15さん
小林先生、この度はご回答を頂きましてありがとうございました。
現在の私どもの状況を想定して複数の方法を教えて頂きましたことに感謝しております。
家族と相談の上、後悔のないよう対応していきたいと思います。ありがとうございました。