地震等の被害による相続

今回のような大規模な震災では、同一家族内で同時期に複数の方が亡くなるケースもあると思います。どちらが先に亡くなったかは相続の順番などでは非常に重要です。このように死亡の先後が明らかでない場合、民法には同時に死亡したものと推定する規定があります。
第32条の2  数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。
被相続人とその推定相続人が同時死亡と推定される場合、両者の間には相続関係は生じません。子供がいない夫婦が同時に死亡したと推定されると、それぞれの財産はそれぞれの親または兄弟に相続されることになります。
なお、親子が同時に死亡した場合に孫がいれば、親の財産は孫が代襲して相続することになります。
またこの推定は遺言による遺贈にも影響があります。
(受遺者の死亡による遺贈の失効)
第994条  遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。 (以下省略)
今年2月に大きく報じられた「相続させる旨の遺言の代襲」についての最高裁判断がありましたが、遺贈では受遺者が遺言者の死亡以前に死亡した場合は効力を生じない旨が条文上明確に規定されています。遺贈のある遺言では、この場合どうしたいかを必ず記載するようにしましょう。

関連記事

  1. 旧姓からの変更
  2. 株主総会の省略
  3. 委託業務の解除について
  4. 本当に中小企業の事業承継の円滑化につながるのか?
  5. もし民法が改正されたら...
  6. 認知されれば父となる人の姓を名乗れるか?
  7. 合同会社の実印登録
  8. これからの成年後見

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


アーカイブ

PAGE TOP