賃貸不動産の更新料は有効

7月15日、ついに賃貸不動産の更新料が消費者契約法10条等に反し無効かどうかの判断が最高裁から出ました。
結果は大方の予想どおり『有効』との判断でした。
賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は,更新料の額が賃料の額,賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当である。
(裁判所サイト 最高裁判例全文より一部抜粋)
更新料が必要な賃貸住宅は、全国に100万件以上あるといわれており、今回は「無効」とすることの混乱も考慮したような気もします。それにしても「高額過ぎ」なければとなっていますが、1年毎に家賃2ヶ月分の更新料は十分高額な気がします。これに乗じて現在更新料を請求していない貸主が請求派に流れないことを祈ります。
賃貸住宅の供給過多と人口減による空室問題が切実な昨今においては、長く借りてもらうことは貸主側の負担軽減から利益のはずです。更新料を居住期間に応じて安くしたり(例えば1回目の更新は1ヶ月分、2回目以降の更新は0.5ヶ月分など)、もし更新料を請求するにしても、せめて更新時の一括払いか更新後の契約期間での分割払いから選ぶ、といった柔軟な選択肢を借主側に与えるといった譲歩をしていかないと、一般賃貸住宅オーナーが今後永続していくのは難しいと思ってしまいます。最終的には近い将来、更新料制度はなくなるのではと考えております。
また7月12日には居住用建物の賃貸借契約のいわゆる『敷引特約』についても「消費者契約法10条により無効ということはできない」という判断が最高裁から出ています。

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